<雪の十勝岳・望岳台>

 腹ごしらえは十分。さあ温泉に向かってスタートだ。

 「白金温泉」を経由して、「十勝岳温泉」に入浴するつもりで道を急ぐ。白樺林の中の道はまっすぐ、牧場やペンションや小粋なレストランの点在を横目にしながら、20分で白金温泉へ。

 このあたりから道は急坂になる。山道は高度を上げ、下界を展望する。左は中富良野から富良野の酪農地帯、右は上がってきたばかりの美瑛の丘と町。とにかく広い。

美瑛の町の方角を見下ろす

 さらに登り始めた途端、予期せぬむなしい看板が前をふさいで横たわっていた。「十勝岳温泉方面は雪のため通行止め」。この時期はもう走れないのだ。まったく残念なり。これで、あのシュウ(宮沢えり)が入ったという吹上温泉の露天も見られない。

<現役の活火山>

 すぐに、計画を変更。
 まず望岳台で雪山にはいり、戻って、白金温泉で汗を流そうと。
 望岳台は既にすっぽりと雪に覆われ、革靴で歩くには困難なほどの冬景色。

 この日は夕方まで快晴で、地元の人も「1年に何度も無い好天」と話してくれたほど。もうもうと白い噴煙を上げる活火山・十勝岳がすぐ手の届くところに見える。それに続く美瑛岳や右手・富良野岳の山並みもすっぽりと雪化粧し、さらに左手遥かに北海道の屋根・大雪山連峰「旭岳」の雄姿を望むことができる。

 冬はスキー場として若者に人気の十勝岳は、写真のように現役の活火山である。ほんとうは危険この上なく、地震観測の情報を信じないならば、いつまた爆発するかわからない。
 大正15年5月24日、突然の爆発は積雪を溶かして泥流となり、おびただしい田畑や人家を埋め死者144名を出した。そればかりか今度は昭和37年またも大爆発し、山麓の白金温泉は全部立ち退きという騒動を起こした。50年ごとに爆発すると想定すれば、あと10年以内に、ということになるが・・・。


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1.プロローグ2.晩秋の北大3.時計台・小樽逍遥4.札幌の夜・ススキノ5.ヘソを目指して・桂沢湖・三段の滝6.富良野・美瑛パッチワークの丘7.美瑛のラーメン・望岳台8.十勝岳温泉9.札幌すし善10.エピローグ中島公園


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大雪山国立公園望岳台

旭岳を望遠
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噴煙の十勝岳

美瑛の丘からの十勝岳連峰・秋

Vol.7   北海道SPECIAL 
北の大地再訪札幌・富良野・美瑛 2001.11

<美瑛のラーメン>


瀟洒な美瑛駅

 美瑛の町並みもすばらしく整っている。駅前通商店街には店舗らしからぬシックな建物が並び、ヨーロッパを連想させる。

 そこで探しつかれてあきらめて、腹を空かせて立寄った駅前のラーメン屋「麦の丘」が大正解。旭川系のスープにチリチリ麺が良くなじみ、チャーシューもとろけるほどの柔らかさ、醤油、味噌ともたいへんおいしくいただけた。地元テレビ局の取材も入っている様子。食べ物屋は外観だけでは判断できないことを、改めて思い知らされることになった。まったく期待していなかっただけに、うれしさも倍増。残念なことに写真を撮らなかった。そればかりか持ち込んだカメラを店内に忘れてしまい、気づいたおかみさんに後ろから追いかけられたという経緯があった。

 おかみさんは「美瑛市内にも何店舗かラーメン屋がありますが、それぞれ味は違います。札幌味噌系ももちろんありますよ。」との弁。雰囲気とその味からしてこの店は地元のみなさんにも愛されているようである。

 旅の楽しみはこういう偶然の出会いにもある。