尾瀬沼と大江湿原
   2005年6月17日 

<2/6> 沼山峠へ




序曲:尾瀬沼へのアプローチ沼山峠大江湿原燧ケ岳東岸・三平下フィナーレ

沼田街道を行き交うハイカー


<入山口から歩き始めた>

沼山峠休憩所の入山口沼山峠休憩所で記念撮影をして、5人のウェルエイジ(well age)は装備をチェックして歩き始めた。このコースは最初に沼山峠まで100mほどの高低差を登るが、あとはよく整備された木道を下るだけで大江湿原に導いてくれる。したがってスニーカーでも十分なのだ。

しかし沼山峠までの登りの山道には、6月の中旬を過ぎたというのに雪が残っていた。転ばないように足元を見据えて慎重に進む。登山口をスタートしたのが10時15分、オオシラビソ、コメツガの森を息を切らせて登ると、意外と簡単に沼山峠に到着してしまった。沼山峠の大きな標識が立ち、木の椅子が旅人の足を休める。峠で記念写真を撮ったのが10時35分だから、20分ほどの登りであった。あとは下るばかりで、尾瀬への入山口としては最も楽なルートであることを実感する。

尾瀬沼が見えた

「あれだ!尾瀬沼だ!」
 指差す森の向こうの厚い雲の下に尾瀬沼の湖面が姿を現した。背中に負っている山は右に皿伏山(1917m)、左に白尾山(2003m)だろうか。こうして山々に囲まれた沼の姿を遠くから眺めると、大昔(ほぼ1万年前)に燧ケ岳の噴火により古代の河川が堰き止められ尾瀬沼ができたという話が真実味を帯びてくる。そして右手すぐ上には雪を抱いて、その休火山・燧ケ岳が厳然とそびえていた。

オオカメノキ(ムシカリ)山道に高く咲く純白の「オオカメノキ(大亀の木)」が清楚である。別名ムシクイ(ムシカリでした)と呼ばれるほど葉に虫がつき易く、暖かな季節になると食い荒らされるのだが、今はその痕跡もほとんどなくきれいだ。ガクアジサイ(ユキノシタ科)に似ているが、この花はスイカズラ科ガマズミ属で「ウツギ(卯の花)」に近い種属のようだ。(オオカメノキ詳細

可愛らしいイワナシの花道脇にピンク色の小花が地を這うように咲いている。亜高山帯でしか見られないツツジ科のイワナシ(岩梨)だ。直径1cmほどの薄い紅色をつけた釣鐘状の花は、日の当たらない湿った岩肌にひっそりと、しかしながらよく見ると意外に力強く自己主張をしているようでもあった。熟した果実が甘酸っぱく、西洋梨に似ていることからこの名がついている。

ミネザクラも清楚間もなく大江湿原に出るという手前に、ピンクの小花をいっぱいつけた小木が立っていた。「チシマザクラ」とガイドブックには書いてあるが「ミネザクラ」だろうか。ミネザクラはチシマザクラの原種で、葉、葉柄、萼、花柄、花柱などに毛が見られないのがその違いのようだ。わたしにとってどちらでもいいのだが、近寄って花びらを見ると、とにかく可憐清楚で美しい。

そしてそのピンクの木立の裏側で白い花たちがいっぱい咲き競っていた。大江湿原の水芭蕉の群落の姿であった。

ミネザクラが満開


<続く>

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