尾瀬の草
雪どけを待ちわびて咲くミズバショウ
緑の湿原に黄金色のうねりを見せるニッコウキスゲ
純白のワタスゲは乙女の祈り

ホソバヒナウスユキソウはアルプスの花エーデルワイス
秋はクサモミジに染まる湿原
尾瀬は季節の花々が競演する花の楽園
マイヅルソウ(舞鶴草) ユリ科
 北海道から九州まで分布。高山の針葉樹林の下に群生する。名前は葉の脈の曲がり方を鶴が羽を広げた形にみたてつけられた。葉は大きなハート型。秋に球形で真っ赤な実をつける。

花期:6−7月
花言葉:
清純な少女の面影
2003.7.3 鳩待峠から山の鼻への途中
レンゲツツジ(蓮華躑躅)ツツジ科
 落葉低木。躑躅(テキチョク)の意味は少し歩いて止まるの意味で、羊がこれを食べて足踏みをして死んだことから名づけられた。かように毒性が強いから動物のえさにはならず、生き残っている。尾瀬の緑に抜群に映える赤で、美しい花には毒がある、の典型。

花期:6−7月
花言葉:情熱、貞節
2003.7.3 尾瀬ヶ原竜宮十字路付近山野木
タニウツギ(谷空木) スイカズラ科
 落葉低木。北海道西部から本州の日本海側に分布。日当たりのよいやや湿り気のある山地に生える。花が美しいので観賞用にもよく植えられる。花の長さは3-3.5センチ、葉の長さは7センチほどで葉裏は白い毛が密生している。別名ベニウツギ

花期:5−6月
花言葉:
豊穣、秘密
2003.7.3 山の鼻
カキツバタ(杜若) アヤメ科
 多年草。全国的に分布。葉は柔らかく中脈がない。濃い紫色の花に白い斑紋があるのが特徴。和名は、昔この花の汁で布を染めた「書き付け花」の転訛。緑の湿原に高貴な紫色が散らばる様は尾瀬ならでは・・。

花期:5−7月
花言葉:幸福がくる
2003.7.3 山の鼻 尾瀬ヶ原 尾瀬沼周辺
クモマニガナ(雲間苦菜) キク科ニガナ属
 本州中部以北と北海道の高山にに生える平地のニガナの高山性変種。多雪地高山に生育する。よく似たタカネニガナは花弁が9〜10枚だが、この花は11枚。

花期:7−8月
花言葉:
2003.7.3 山の鼻 尾瀬ヶ原
チングルマ(稚児車) バラ科
 落葉の矮小低木。北海道、中部以北の山岳、岩礫地に群生する。葉は奇数羽状複葉、花は3cmの白色。命名の由来・・・白い毛をつけた果実が風に揺れている様を、稚児の玩具の風車に見立てたもの。尾瀬では、日当たりのよいところで見る機会は多い。
花期:6−7月
花言葉:可憐
2003.7.4 下田代 アヤメ平 至仏山高山
オオバタチツボスミレ(大葉立壺菫) スミレ科
 大型のスミレで、葉はハート形または丸いハート形。鮮やかな緑の葉の上に淡紫色の花をつける。花は⇔対称で花弁に濃い紫の筋が入る。(白花はチゴユリ)

花期:5−6月
花言葉:つつましい幸福
2003.7.3 尾瀬各所の湿った草原
ワタスゲ(綿菅) カヤツリグサ科
 多年草。高さ30−60cm。中部以北の高山のミズゴケ湿原に群生。尾瀬においても中田代や下田代の湿原を覆い尽くすほどに群生している。果期は8・9月でその白い綿帽子は可憐・清楚で、とくに女性に人気があるようです。花は白、葯は黄色。別名スズメノケヤリ。
花期:5−6月
花言葉:
2003.7.3 尾瀬のミズゴケ湿原・中田代
ウラジロヨウラク(裏白瓔珞) ツツジ科
 高さ1m前後の落葉低木。東北・関東・中部に分布。葉の裏は緑白色。花は淡紅色で先端が濃い。筒状鐘形の花を枝先に4−10個、下向きにつける。瓔珞はインドの貴人や仏像の装身具のことで花の形を見立てた。尾瀬湿原の各所に生えている。
花期:6−7月
花言葉:
2003.7.3 尾瀬ヶ原湿原各所・中田代
10 ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)モウセンゴケ科
 モウセンゴケの一種で葉が長いためこの名がついた。葉は長楕円状のへら形。北海道・鳥海山・尾瀬にのみ生える貴重な植物。花色は白。モウセンゴケは食虫植物。しっかり見ないと見落とす。
花期:7−8月
花言葉:セレナーデ、物思い
2003.7.4 尾瀬ヶ原 沼尻 アヤメ平
11 オゼダイゲキ(尾瀬大戟) トウダイグサ科
 尾瀬の湿性湿原に生える尾瀬特産の植物。花のつき方は杯状花序で、花序の下に鮮やかな黄色の苞葉をつける。花のように見えるのは苞葉で、三角状の卵形。鮮やかな黄色で湿原を彩る。
秋の草紅葉で紅葉する姿も素晴しい。

花期:6−7月
花言葉:
2003.7.3 赤田代 下田代 大堀川沿い
12 ミツガシワ(三柏・睡菜) ミツガシワ科
 水中に生え群落を作って、白い幻想的な花を咲かす。太い地下茎は水底を走り、水面上には3枚の小さな葉をつけた茎を伸ばす。葉に苦味がありホップの代用品。葉形が「三つ柏」紋に似ている所から命名。緑の葉に白い花をつけて湿原いっぱいに浮かぶ姿は必見の価値あり。
花期:6−7月
花言葉:平静、休息
2003.7.3 尾瀬沼 尾瀬ヶ原 湿原の水辺
13 ニッコウキスゲ(日光黄菅)別名ゼンテイカ ユリ科
 春先なら水芭蕉、夏はニッコウキスゲと尾瀬を相並んで代表する花。湿原や山地草原に濃い橙黄色の群落を作る。
このような単子葉植物の花は、ガク片・花弁・おしべ・心皮の数が3の倍数なのが特徴。花数は年によって差がある。花命は短く朝咲いたら夕方にはしぼんでしまう。最盛期湿原を多い尽くす様子は壮観である。

花期:6−8月
花言葉:日々あらたに・心安らぐ人
2003.7.3 尾瀬ヶ原 尾瀬沼 湿原や山地草原に 高山
ハクサンチドリ
14 ハクサンチドリ(白山千鳥) ラン科
 多年草。北海道、本州中北部に分布。花は紅紫色だが、まれに白色。長さ5−15cmの葉を数枚、まばらにつける。花は十数個が総状につく。石川県の白山で見つかり、花形が飛ぶ鳥に似ているところから命名された。立ち姿が毅然としていて、好きだ。
千鳥格子のイメージで覚えた。
花期:6−7月
花言葉:美点の持ち主、陽気、間違い、誤解
2003.7.3 尾瀬ヶ原 尾瀬沼など湿地に高山
15 タムラソウ(田村草) キク科
 山地草原に生え、7−8月ころに紅紫色の花を開く。別名タマボウキ(玉箒)というように花序の様子からタマムラソウが転化。
ノアザミや尾瀬沼アザミなど尾瀬周辺には類似種が多い。

花期:7−9月
花言葉:あなただけ
2003.7.4 尾瀬ヶ原
16 ヤナギトラノオ(柳虎の尾)サクラソウ科
 寒冷地の湿原でまれに見られる貴重な植物。北海道、中部以北に成育。総状花序で黄色い小さな花を多数つける。湿原の中で花が咲いても、上からでは葉に隠れて見えない。細長い葉が柳の葉に、また、花穂がトラの尾に似ていることからつけられた名前。
花期:4−5月
花言葉:
2003.7.3 尾瀬沼 赤田代 中田代 山の鼻 一般に高山
17 タカネバラ(高嶺薔薇) バラ科
 低木で枝は細く、紅褐色で直角に出る。花弁は5枚で弁の先端はくぼむ。花は紅紫色。枝先に1花のみをつける。高山の日当たりのよい岩礫地に生える。北海道・東北・中部地方と四国に分布。

花期:7月
花言葉:
2003.7.4 弥四郎小屋にて 至仏山にも 一般には高山に
イワカガミ
18 イワカガミ(岩鏡) イワウメ科
 ほぼ全国の高山に分布。常緑の多年草。岩場で多く見られ、葉につやがあり光って見えることから名前がついた。5−10cm伸びた茎に数個の淡紅色の花をつける。尾瀬ではほぼ全域で見ることができる。

花期:6−7月
花言葉:
忠実
2003.7.4 尾瀬全域
ヒメシャクナゲ
19 ヒメシャクナゲ(姫石楠花) ツツジ科
 北海道中部地方以北の高山の湿地帯に生える。丈が10−20cmと低いが立派な木。常緑の小さな葉が互生していて、紅色を帯びた白い壺状の花を下向きに数個つける。尾瀬ではミズゴケ湿原を中心にいたるところで見られる。別名日光石楠花。
花期:6−7月
花言葉:
危険・警戒・尊厳
2003.7.4 尾瀬沼 尾瀬ヶ原 白砂田代などミズゴケ湿原に
ヒメシャクナゲ <ミズゴケ湿原の小さな植物 ヒメシャクナゲ>

   19に詳細
タテヤマリンドウ
20 タテヤマリンドウ(立山竜胆) リンドウ科
 尾瀬沼、尾瀬ヶ原および周辺いったいの湿原、燧ケ岳、至仏山など尾瀬では広範囲に分布。花色は淡紫色だが白花もある。花は天気のよい日だけ開き、夕方には閉じる。訪ねた日は天候に恵まれ満開であったが、小粒の花をうまく撮影するのは難しかった。北アルプス立山に多く咲いている。

花期:6−7月
花言葉:
悲しんでいる時のあなたが大好き
2003.7.3 尾瀬ヶ原周辺
タテヤマリンドウ <無数に咲き誇る小さなリンドウ タテヤマリンドウ>

   20に詳細
ギョウジャニンニク
21 ギョウジャニンニク(行者大蒜) ユリ科ネギ属
 山野の林内などに生え、茎の高さは40〜70cm。北海道、近畿以北に分布。茎先の珠状散形花序に淡黄白色2〜3cmの小花を多数つける。花被片は6個、葉は長楕円形で2〜3個が根生する。強いニンニク臭があり、行者が食用にしたためこの名がある。北海道では若芽をヒトビロ、キトビロなどと呼ぶが、山菜として珍重される。「ヒトビロラーメン」をいただいたことがあるが美味であった
花期:6−7月
花言葉:
2003.7.3 竜宮小屋近辺
サギスゲ
22 サギスゲ(鷺菅) カヤツリグサ科
 尾瀬では山の鼻、上田代、中田代など日当たりのいい湿原に生える多年草。北海道、本州の六甲山以北に分布。白いワタスゲに似ているがワタスゲがひとつの茎に小穂をひとつつけるのに対して,本種は数個つける。
鷺の名が示すようにほうき型の綿毛が風に揺れるさまは見ごたえがある。

花期:6−7月
花言葉:
2003.7.3 尾瀬ヶ原周辺
ノリウツギ
23 オオカメノキ(大神の木・大亀の木)、ムシカリ  スイカズラ科ガマズミ属
 尾瀬に下る坂道の暗がりでひときわ目立つ白は、ガクアジサイ?かと思ったが落葉低木のオオカメノキ。北海道から九州まで全国のブナ帯から亜高山帯にかけて生育する。葉は対生で大きく、6〜20cmでほぼ円形。表面脈上に星状毛があるが、その他の部分は無毛。「ムシカリ」の別名があるように、葉が虫に食われているものが多い。
花期:4−6月
花言葉:黙っていても通じる私の心
2003.7.3 鳩待峠から山の鼻への途中
クルマバソウ
24 クルマバソウ(車葉草) アカネ科クルマバソウ属
 林の中に白い米粒のような小さな花が精いっぱい咲いている。6枚の葉が輪生し、茎の上部に4〜12個の花をつける。花冠が4つに裂け漏斗(ろうと)形だったらクルマバソウである。葉が車輪のように放射状についていることから命名。

花期:6−7月
花言葉:
2003.7.3 鳩待峠から山の鼻への途中
リュウキンカ
25 リュウキンカ(立金花)キンポウゲ科
 多年草。北海道、本州、九州に分布。茎が直立から斜上するものをリュウキンカ。倒れて節から芽を出すものをエンコウソウと区分。水中に黄色い5弁の花を咲かす。さしずめ水中のシナノキンバイというところ。清々しい。早春の尾瀬湿原を黄金色に染める代表花。
花期:5−6月
花言葉:
来たるべき喜び、太陽のような心
2004.6.18 尾瀬ヶ原周辺
ミズバショウ (26) <尾瀬の女王 水芭蕉> サトイモ科ミズバショウ属
多年草。花期は5〜7月。
中部以北の北日本に多く、尾瀬では湿原の縁や湿原を流れる川筋、山の中の泥湿地に群生している。湿原の雪どけとともに開花するミズバショウは春を告げる花。尾瀬にもっともふさわしい植物。
純白の花びらのように見える部分は、花を保護する役目をするで、仏炎とよばれる。花は、棒状の花茎に小さいものがたくさん密集してつく。
花言葉:汚れなき姿、美しい思い出、変わらぬ美しさ
<2004.6.18 山の鼻にて> 水辺に群生
ページにサウンドを挿入しています。
耳障りの場合は音量を絞るかmuteにてご覧ください。