21 イカリソウ(錨草・碇草) メギ科イカリソウ属
多年草。近畿以東の主に太平洋側に分布。花は紅紫色だが、まれに白色。花の形がイカリに似たところから命名。花が黄色のものをキバナイカリソウという。茎葉を漢方薬で利用。強壮・強精剤・発汗剤。春の季語。いかつい名前と正反対の可憐さ。
花期:4−5月
花言葉:あなたをとらえる(放さない)、人生の出発
4月 正丸 森や林
22 カタクリ(片栗) ユリ科カタクリ属
多年草。北海道から九州に分布するが四国・九州ではまれ。葉は二枚が対生、紫色の班紋がある。鱗茎にデンプンを含み、片栗粉を作った。万葉集のカタカゴ(堅香子)は別名。寿命は20年、そのうち7年は地中で成長するというから我慢強い。黄色は洋種か。
花期:3−5月
花言葉:初恋、寂しさに耐える、嫉妬
4月 城山町カタクリの里  森や林
エビネ
23 エビネ(海老根・蝦根) ラン科エビネ属
多年草。北海道南部から九州まで分布。。種類も多く、
観賞用、食用に栽培も盛んであるが、自生地を保護すべき植物である。地生ランで、根元から2〜3枚の葉をつけ葉心に花茎を直立する。和名は太く節がある地下茎を海老に見立てたもの。春の季語。

花期:4−5月
花言葉:謙虚、誠実
4月 百草園 森や林
クマガイソウ
24 クマガイソウ(熊谷草・扇脈杓蘭) ラン科アツモリソウ属
多年草。北海道南部から九州の林の下や竹林、杉の植林地などに生える。茎の先に扇形の葉が2枚相対してつく。和名は袋状の大きな唇弁を、平家物語の源氏武将・熊谷直実の背負う母衣(ほろ)にたとえ、別種のアツモリ(敦盛)ソウと対比させた。命名の裏には「一の谷合戦」の悲劇がある。
花期:4−5月
花言葉:見かけ倒し
4月 百草園 森や林
25 シャガ(射干・著我) アヤメ科アヤメ属
多年草。本州から九州に分布。林内に群生し、人里近くに見られる。古代中国から渡来。名前は緋扇の中国名・射干からついた。春先の高尾山の全山で見られる。夏の季語。
花期:4−5月
花言葉:反抗、わたしを認めて
4月 高尾山 森や林
26 イチリンソウ(一輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属
多年草。本州から九州の渓畔や林縁、竹林に生える。花柄の先に一輪の花を咲かせる。花弁がなく白いガク片が花弁状に5−7枚ある。二輪草に比べ花輪はやや大きい。別名イチゲソウ。春の季語。
花期:4−5月
花言葉:孤独な愛、追憶
4月 五日市小峰公園 森や林
27 ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属
多年草。本州から九州に咲く。一輪草の親戚で総抱葉に柄がなく、花柄を二本出すので二輪草という。
「春なれや 二輪草の 花の群れ」一水


花期:4−5月
花言葉:
可愛らしい
5月 奥鬼怒蛇王の滝 森や林
26 チゴユリ(稚児百合) ユリ科チゴユリ属
多年草。本州から九州の山野の林内に生える。茎頂に1〜2個の白い花をつける。花被片は披針形で長さ約1.5cmと小さい。花びらの外側3枚は萼が花びらのようになったもので、本来の花びらは内側の3枚だけ。この季節、中年女性の高尾山参りはこの可愛らしい白花目当てが多い。稚児で連想するのは鞍馬山の九郎判官義経、悲運の才児であった。
花期:4−6月
花言葉:恥ずかしがりや
4月 高尾山 森や林
27 ホウチャクソウ(宝鐸草) ユリ科
多年草。日本各地の丘陵の林の中に生える。茎が直立し、枝先に1〜2この花が垂れ下がる。花を寺院の軒先につり下げられている宝鐸に見立てた。
花期:4−6月
花言葉:追憶
4月 霞丘陵 森や林
28 ミミガタテンナンショウ(耳型天南星) 
サトイモ科テンナンショウ属
多年草。関東から九州の太平洋側の山地や雑木林に生える。花が耳の形に似ていることから名前がついた。林の奥にひっそりと咲いている姿は不気味ですらある。
花期:4−5月
花言葉:壮大な美
4月 高尾山 森や林
29 シラネオアイ(白根葵) シラネアオイ科
多年草。日本固有の1科1属1種でボタン科の近縁。中部地方以北の多雪の山岳から亜高山帯に生える。桃色の花弁状はガク片で花弁ではない。日光白根山で発見。

花期:5−7月
花言葉:優美、完全な美
4月 神奈川県城山町 森や林
30 ミヤマオダマキ(深山苧環) キンポウゲ科
多年草。中部地方以北の岩場、草原に生える。内側の5枚の花弁の先が白い。和名は糸を紡ぐ際に、紡ぎ終わった糸を丸く苧環(オダマキ)に巻いた形から命名。
花期:6−8月
花言葉:捨てられた恋人、断固戦う
4月 正丸 亜高山
31 ウツギ(空木) ユキノシタ科
落葉低木。北海道南部から九州に分布。「卯の花の匂う垣根に・・・」の卯の花のこと。木箱の木釘に利用。幹が中空であることから空木の命名。初夏の季語だが、見た目は雪のようで雪見草の別名もある。
花期:5−7月
花言葉:謙虚、古風、風情
5月 向島 山野木
32 アセビ(馬酔木) ツツジ科
常緑低木。東北地方南部から九州の主に太平洋側に分布。有害植物で牛馬がこれを食べると酔ったようになるので馬酔木の名がついた。早春、枝先に白い鈴蘭に似た壺状の花を咲かせる姿は万葉の昔をしのばせる。地方によってはアシビ・アセボなどの呼び名も。
花期:4−5月
花言葉:犠牲、二人で旅をしよう
4月 武蔵五日市 山野木
33 ヤマブキ(山吹) バラ科
落葉低木。北海道から九州に分布。春、山の斜面や渓流の上に新緑を背景に山吹色が映える。茎の髄を抜いて笛にする。太田道灌の山吹伝説「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだになきぞ悲しき」は醍醐天皇の皇子兼明親王の詠歌。この逸話に登場する一輪の山吹を差し出す少女の学識はたいしたもの。
花期:4−5月
花言葉:
旺盛、崇高
4月 深大寺 山野木
34 エニシダ(金雀児) マメ科
落葉低木。北海道南部以南。春、輪郭のはっきりした黄色い蝶形花を咲かす。果実は平らな莢(サヤ)で、夏に黒く熟す。南ヨーロッパ・地中海沿岸の山肌を黄金色に染める。石灰質の土壌を好む。
花期:5月
花言葉:清楚
4月 岩藏温泉 花木
35 ボケ(木瓜) バラ科
落葉低木で小枝に棘がある。中国西南部原産で平安時代に渡来。高さ約2m。春先5弁の鮮やかな赤い花を開く。白や紅白、八重など園芸品種も多い。11月咲く花は寒ボケ。山道の端に小型の草ボケもよく見かける。果実は楕円形で黄色に熟すが、その実が瓜に似たところから木瓜(モッケ)が転じてボケに。けっしてボケているわけではない。
花期:3−4月
花言葉:早熟・平凡
4月 正丸 花木
36 ヒュウガミズキ(日向水木) マンサク科
落葉低木。岐阜・石川・福井・京都・兵庫に分布。全国的に植栽される。春、葉の出る前に淡黄色、長さ1cmの花が枝に穂状につき垂れ下がる。ヒメミズキとも呼ばれる。

花期:3−4月
花言葉:誤解
4月 野川公園 花木
37 ミツマタ(三椏) ジンチョウゲ科
落葉低木。中国中西部原産。葉が出る前に3分枝した枝先に球状に花が咲く。花弁がなくガク筒の先が4分裂している。高級和紙の原料として栽培。白黄花が一般的だが、写真は白紅花。花は春の季語。1年に1回枝が3つに分かれるからその数を数えれば年齢までわかる。1万円札のなる木。
花期:3−4月
花言葉:壮健、強靭、意外な思い
4月 城山町 花木
38 ミツバツツジ(三葉躑躅) ツツジ科
落葉低木。関東、中部、近畿の山地に分布。早春、葉が出る前に紅紫色のあでやかな花を木一面に咲かせる。名前は葉が3枚の意。多摩の丘陵や山のなかに多い。山ツツジは朱色が強い。
花期:4−5月
花言葉:節制
4月 五日市 山野木
39 レンギョウ(連翹) モクセイ科
高さ2〜3mの落葉低木。葉が出る前に4裂した2.5cmの黄色花を開く。枝は弓状に長く伸び、着地すると発根する。葉は卵形、長さ4−8cmで対生する。春先色のない山道や公園を連翹の群落が鮮やかな黄金色で覆う。春の季語。薬効あり。
花期:3−4月
花言葉:叶えられた希望、希望の実現
4月 岩藏温泉 花木
40 ハマナシ(浜梨)ハマナス バラ科
日本原産バラの一種。ハマナスともいう。落葉低木。北海道から関東・中部の海岸に自生する。花は1個から数個つき径6−10cm。花弁は5枚で鮮やかな深紅紫色。果実は球形で光沢があり美しい。梨より茄子に近い。花は芳香があり香水に利用される。
花期:6−7月
花言葉:照り映える容色・悲しくそして美しく
6月 北海道サロマ湖畔  海岸

その

  

身近な花・特に「野の草花・自然の草木花」を中心に撮ってみました。
花壇に咲いている花より小粒で頼り無げですが、芯がしっかりしているからほんとうは丈夫で忍耐強い植物たちです。温室育ちとは少し違います。

レンズを近くまで寄せてじっくり観察すると、意外としっかりしたディテールを見せてくれます。人間も同じ、大雑把より小粒でもピリリと辛い、あるいはこれだけは人に負けないという人格に魅力を感じます。

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