もう一つ興味を持ったのが、外壁回廊内の壁画。ヒンドゥーの叙事詩「ラーマーヤナ」のタイ仏教版「ラーマキエン」が178面の壁画をもって描画されている。主人公のラーマ王子(ヒンドゥーの創造主ヴィシュヌ神の化身)が妻のシーダ姫を魔王トッカサンから救出する物語で、これはカンボジャ・アンコールワットの回廊で本物が見られるのだが、この物語はタイ古典舞踊にもさまざまに取り入れられ人気を博している。
ちなみに建国の英雄ラーマ1世王は絶対的存在で今や神話の人となっているが、欧米人や私たちにはユル・ブリンナーが演じた「王様と私」のラーマ4世のほうが親しいのではなかろうか。これはマーガレット・ランドンが書いた小説「アンナとシャム王」を戯曲化したもの。「私」すなわち英国人女性アンナが、自国の王宮に西洋文化を取り入れようとするシャム国王(ラーマ4世)から、皇太子チェラロンコン王子を初めとした、王子・王女の家庭教師として招かれるところから物語は始まるのだが・・・・・。欧米文化を採り入れようとする先進的な4世の思想が見えるが、結果的に王子、後のラーマ5世は西欧化の時代を切り開くことになり、タイは大いに発展する・・・。
今日のバンコク観光・昼間の部はスコールとともに終わった。
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