平湯大滝の大看板

この脇に車を路上駐車、もちろん無料

平湯スキー場

軽快なメロディが聞こえますか?

シャトルバス

雪道をシャトルバスが運んでくれる(有料?)

平湯大滝遠景

日本の滝百選が見えてきた

雪が深くて近づけない

雪と氷に閉ざされた平湯大滝に
春の陽光が差し込んで間もなく雪解け
雪解けということばには歓喜を感じる・・・

栃尾交差点

栃尾温泉は雪解けで水浸し


<雪解けの快晴>

西穂高に上った時間が早かったから下山も早く、時計を見たらまだ10時半。きょうは東京までのんびり帰ればいい。時間はたっぷりある。2、3途中で寄りたいところもチェックしていたが、気が変わればそれもよし。車で旅をする便利さはこういうところに現れる。

昨日は雪がちらついていた栃尾温泉も、朝からの太陽のおかげで道路はすっかり雪解け状態。山道はキラキラと輝き、融けた水は沢となって道に溢れる。
 雪解川(ゆきげがわ) 名山けづる 響きかな 
                          普羅

 「新平湯温泉」「福地温泉」を過ぎ名湯「平湯温泉」の近くに目的の「平湯大滝」がある。往路では猛吹雪の中でその影すらも確認できなかったのだが、すっかり晴れ渡り「これは寄って行かなくては!」ということになった。


<名湯平湯>

その前に平湯温泉のことに少し触れてみたい。
 北アルプスから乗鞍岳に繋がる日本列島の背骨の中間に安房峠があり、その東側の長野県から、岐阜県側にはいったところに平湯温泉はある。奥飛騨の中でも最も古く、武田信玄の時代に「白い老猿が温泉で傷を癒しているのを見て、兵士がそれを真似て英気を養った」という伝説が残る。
 地域内に約40もの温泉井戸・源泉があり、毎分13,000リットルもの豊富な湯が噴き出てている。最高90度にもなるこの温泉の泉質は、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、炭酸水素塩泉などを含み、胃腸病やリウマチ性疾患をはじめ、神経症、皮膚病などに効果があるとされ、治療温泉としても利用されている。温泉の評価は湧出量と湯温、成分によるかと思うが、その点では文句なく一流の温泉である。

昭和53年ごろだろうか、まだ安房峠にトンネルがなかった時代に通りかかったときの記憶では、木造二階建ての温泉宿が並ぶ古い湯治場という雰囲気があり、わたしは嫌いではなかった。
 ところが安房トンネルが開通すると様相はがらりと変わった。関東から観光客を乗せた大型バスがひっきりなしにトンネルを抜けてくる。上高地との抱き合わせのツアーが多いが、飛騨側への足が驚くほど便利になった。観光価値は跳ね上がり、そして木造旅館は鉄筋のホテルに変身した。隣の「新平湯温泉」にも街道筋に中央の資本と思われる立派なホテルが立ち並ぶようになった。


<大滝>

大きな「中部山岳国立公園平湯大滝」の立て看板の横に車を停めたが、隣りが「平湯スキー場」になっている。小粒なスキー場だが空いていて滑りやすそうである。スキー場特有の音楽に混じって若い人たちの健康な歓声が聞こえてくる。
 その「滝」までは雪道を10数分歩いた。いくつかのグループに出逢ったが、その数は昨日の大雪のせいか少ないように思えた。途中、立派な休憩施設が立っており、閑散としていたが、土産のショップやレストランや娯楽施設が付随している。この施設は昨年(平成16年)夏に開設したばかりのようで、道理でお客様への対応に初々しさが見られた。「初心忘るべからず」である。

 最奥の滝まではさらに少し歩く。

日本の滝百選の一つ「平湯大滝」は凍りついていた。
 正確にいえば、左右の岸壁部が完全に氷結し、その中央からわずかに滝水が落ちていたのだが、遠目には氷の筋としか見えない。たとえは悪いが、まるで洟垂れ小僧の青っ洟のようだ。おまけに周囲の雪は想像した以上に深い。それでも陽光が頂上部に射し込み、その余熱が周囲の岩盤を溶かそうとしている様は、明らかに「春」を感じさせる。氷結が、凄まじい滝となって流れ落ちるにはあと1ヶ月はかかるだろうか?


<観光努力>

かつて真冬は人跡未踏の滝であったと思う。道を開き建物を整備し、道具を入れて冬の客を誘い込むことに成功した。努力の結晶だ。2月にはライトアップされたという。さぞかし美しいだろうが、凍てつく道をここまで歩くのがたいへん。と思いきや、シャトルバスが近くまで運んでくれる由、零下10℃を下回る極寒の夜も意外と混雑しているのかもしれない。なんでも可能性を追求して努力する人間の姿は美しい。ただ無理をしたり行き過ぎは禁物だ。分相応にというところが望ましい・・・。

<了>
 「新穂高温泉と西穂高」
 

西穂高

奥飛騨温泉郷
新穂高・栃尾・福地・新平湯・平湯の5つの温泉

平湯大滝


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