地球に触れる

ルーサー・スタンディング・ベア ラコタ(スー)の国 チーフ 1933

 
 われわれの一族は自然を愛した。地球を愛し、地球の産み出したすべてのものを愛した。こうした自然を愛する気持ちは年をとるにつれて増していった。年寄りたちは文字どおり「土に親しむ人」となった。彼らはその上に座ったり、寝転がったりして、地球がものを産み出す力を感じ、それとひとつになろうとした。地球に触れることは人間の皮膚にとっても良く、だから年寄りたちは履いていたモカシンを脱いで、裸足で聖なる地球の上を歩くのを好んだ。彼らの家であるティピは地球の上に建てられ、その地球の一部を使って家の中には祭檀が設けられた。

 空を飛ぶ鳥たちですら、地球の上に降りてきて脚を休めるではないか。生きて、成長しているありとあらゆるものが最後には地球に帰っていくのだ。土が痛みを和らげ、土が力を与え、土が浄化し、土が癒してくれる。
 年老いたインディアンが、杖の力を借りて立ち上がって、みすみす生命を産み出す力から離れたりする代わりに、何もせず、ただじっと大地に座っているのは、そのためだ。そうやって大地の上に座ったり、横になったりすることで、彼はもっと深く考えることができ、よりはっきりと感じることも、生命の神秘をより澄んだ目でのぞき込むことも、他の生き物たちともっと親しい間柄にもなれる。

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インディアンに学ぶ 7/16