なるほどわたしは白人の学校にも通った。文字の読み方も学んだ。教科書、新聞、そして聖書といろいろ読んではみたものの、しかしそれだけではわたしにはなにかもの足りない。とかく文明人というのは、あまりにも印刷されたものに頼り過ぎているのではないか。わたしの頼みの綱はグレイトスピリットの書かれた本しかない。そこには彼による天地創造のすべてが書かれてあるのだ。
自然を克明に学ぶことで、あなたたちもグレイトスピリットの書かれた本をかなりの部分読むことができる。よいかな、あなたたちが持っている本という本を全部外に持ち出して、太陽の下に並べ、しばらく雨や雪や昆虫たちに任せてみるがいい。きっと後にはなにも残らないだろう。しかしそれでもなおグレイトスピリットは、あなたやわたしに「自然」という大学で、森のこと、川のこと、山のこと、わたしたちを含む動物たちのことなどを学ぶ機会をあたえてくれているのだ。