六波羅蜜とは・・・・・



 大乗仏教の代表的な修行法の一つ。波羅蜜は波羅蜜多(はらみた)を省略したもので、「彼岸にわたる」「完成」の意味。たとえ五つの大罪を犯したとしても、六つの波羅蜜を日々実践することによって罪業は消えていくという教え。
 空也上人は「彼を先とし、吾を後とする情を情とする」と説いたが、無限に変化する現世の厳しさのなかの行動指針としてとらえれば、現代人にも十分に理解できるのではなかろうか。

  1. 布施 布施行にとってもっとも大事なことは応分の施しをしたとき、その施しをしたことを心に留めず、その反対給付を求めないこと。「空」の心から行う他人への施し。もちろん布施は物質のみではない。
  2. 持戒 自発的に戒を守ること。道徳・法律・条令などは時代によって人が作り、現代ますます複雑になっていく。われわれは常に高度な常識を持ちいかなることにも対処できるよう、自らを戒めることである。
  3. 忍辱 自分の不完全さを自覚して、他人に迷惑をかけないために耐える。かりに辱めを受けても、ほんとうに耐え忍ぶならば、苦の多い現代に生かされていることがわかり、すべての人の心を心とする、仏の慈悲に通ずる。
  4. 精進 ふだんの努力が大切である。人はそれぞれ立場、立場で努力し誠心誠意尽くすことが大事である。
  5. 禅定 静かな心で自分自身を客観的に見ること。煩悩を消し精神を集中させること。以上5つの徳目を実践する上で観念的に智慧を完成させるのではなく、行動を起こさなければならない。すなわち
  6. 智慧 助け合い、ルールを守り、耐え忍び、励み、自己を見つめ、苦楽を乗越えて、どちらへも偏らない中道を進み、此方の岸(此岸)から彼方の岸(彼岸)へ・・・・菩薩へ、悟り(完成)へと向かう。

 個人的には常に煩悩の導くままに、右往左往の毎日で、とても六波羅蜜を実践というわけにはいかないが、それでも若いときに比べ、少しはその意味がわかってきた今日この頃というところでしょうか。

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