ロウバイ・蝋梅


境内に住み 蝋梅の 日向あり      鈴木しげお
蝋梅や かをりやひとの 家につかれ   橋本多佳子

蝋梅
ロウバイ(蝋梅)  ロウバイ科ロウバイ属
中国原産で江戸時代初期に渡来し、観賞用に栽培される。高さ3mの落葉低木。葉は対生し、長楕円形で両面ともざらつく。花弁は名前のように半透明でロウのような質感がある。冬枯れの色のない時期のあざやかな黄色は上品で、芳香もよい。

花期:1−2月
花言葉:先導、先見、ゆかしさ、慈しみ
5月 鎌倉長谷寺

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馥郁たる香り ■冬の花・蝋梅(ロウバイ)
 寒が明けるのにあと1週間、この日は寒さが少し緩みましたが、冬の日が西に傾き始めるころ林のなかでハッとする光景に出合いました。木々の梢は葉を落とし寒々としていましたが、西日を受けて一本の蝋梅が黄金色に輝いていました。
 色の鮮やかさもさることながら、その馥郁たる香りに魅せられ、思わず鼻から大きく息を吸い込んでしまいました。
 17世紀はじめに中国から渡来したといいますが、家康(1603年徳川幕府開闢)はこの花を見たことがあったでしょうか?下向きに硬く咲く様子は質素倹約、臥薪嘗胆の徳川のイメージとダブります。
 
 植物は季節感の薄らいだ現代の“季節の配達人”で、まさに“冬来たりなば春遠からじ”を感じさせてくれました。
(2006年1月28日)