<熊の出没と自然の生態系> ・・・本文より
読売新聞
2004年7月26日一面に「夏ご用心」と題し、尾瀬などで目撃が急増している統計を掲載し警戒を呼びかけた。
「年間
40万人が訪れる尾瀬でツキノワグマの目撃が相次いでいる。6月には男性ハイカーが襲われ大怪我を負う事故まで発生。
動物との共存を目指す尾瀬では、熊よけの鐘を木道に常設して注意を呼びかけている。・・・自然保護の進展で人を恐れない『新世代クマ』の出現を指摘する専門家もいる。・・・尾瀬保護財団によれば、今年は7月中旬までに28件と前年を上回るペースで出没。好物の新芽や水芭蕉の実を求めて山から下りてくるため目撃情報も急増する傾向にある。・・・」
ツキノワグマはヒグマと違って臆病な性格で、刺激を与えない限り人を襲うことはないそうだが、今年はヨッピ橋付近で人を襲い、上記の事故に発展した。
人が悪いのか、熊が悪いのか?
自然保護、生態系保護の立場からすれば、人の(熊の生態系を無視した)無謀な行為が熊を過剰に刺激して、熊の攻撃を誘発するという。国内で、原始の環境が自然に維持されている尾瀬は、熊にとってもっとも生態系を維持しやすい場所のはずである。そこで起きてしまった事故。その対策は早急にとられねばならない。
カウベルが熊との衝突を避ける道具であるように、熊よけの鐘の設置は、共存のための一つの策だろう。そして次の策は?熊の生態系を熟知した頭のいい人間なら、そのことを研究している学者もたくさんいることだろうから、やるべきことはたくさんあるように思う。
とにかく熊が人を襲ったら、まちがいなく人はその報復措置として熊を狩り獲ろうとする。歴史がそれを証明している。
なお、2004年に尾瀬では90件もの目撃が報告されている。