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岩陰のコマクサ
 コマクサ(駒草) ケシ科コマクサ属
 「孤高の美少女」というべき高山の多年草。北海道、本州中部以北の砂礫地に分布し、花崗岩の山や火山に多い。外側の2枚の花弁は基部がふくらみ、先端は曲がり、内側の2枚は互いに接して中央部に突き出る。
 コマクサは「高山植物の女王」といわれているが、精神的にデリケートで他の植物との共生ができない。他が生きられない写真のような砂礫地に生き場所を見つけ、砂礫の下の土壌に必死に根を伸ばして養分を吸収している。また霧などの水分を葉先に水玉として集め、それを根から吸収する。
 しかし年月がたち砂礫が土に変わるころ、他の植生の進出によってその生命を奪われることとなる。またかつて霊験新たかな薬草として評価を高めたためにその数を大きく減らしてしまった。持ち帰っても自宅の庭で育つ可能性はゼロなのだから、持ち帰らないように!
 和名は、花形が馬の顔に似ていることからつけられたもの。 夏の季語。

高さ:5cm〜10cm
花期:7−8月
花言葉:高嶺の花
2003年8月15日 木曾駒ケ岳中岳付近

コマクサ・駒草


駒草に 暁紅到る 御来光     石井桐陰
駒草に 雲は大きく 帆を張れり  倉田素香
駒草や 雷雲逸れて 燧岳     前田鶴子
こま草や 雲に落ちあふ 縦走路 小林碧郎